アンチョビ

アンチョビ

料理番組の定番の食材としてよくその名を耳にする「アンチョビ」。一体何のことを言っているのかわかりませんでした。無知とは恐ろしいものです。

もちろん食べたこともありませんでしたので、スーパーで見かけてしっかり購入しましたよ。初めてのアンチョビは塩っ辛くてちょっと生臭かったです。超安物でしたので……

アンチョビとは

アンチョビ

そもそもアンチョビとは何のことでしょう。気になって調べてみました。

イタリアやスペインで作られているカタクチイワシに似た小魚のことで、この小魚を塩漬けにして熟成させて、さらに発酵させたものにオリーブオイルを合わせて缶詰などにしたものです。塩漬けにする前に3枚におろして内臓を取ります。一般的にはオリーブオイルで漬けられたものや塩漬けにしたものをアンチョビと呼びます。

3枚におろしたものをフィレ状のまま缶詰にされたものと、ケッパーというフウチョウソウの低木の実を中心に、渦巻きに巻かれたものとがあります。(自分はフィレ状のものしかまだ見たことがありません)

アンチョビの使い方

アンチョビはそのまま食べると少し塩辛いです。ペースト状にしてチューブに入れられて販売されているものもあり、使いやすくなっています。

様々な料理に用いられていて、ソースにしたりパスタやピザ、サラダなどの味付けに使われたりします。

アンチョビに使われるカタクチイワシ

カタクチイワシ

アンチョビに使われるカタクチイワシとはどんな魚なのでしょうか。漢字で書くと「片口鰯」と書き、鰯の字を見てもわかるように、手でもさばけてしまうイワシの仲間の魚です。

成魚になると10~20cmほどになり、アンチョビに使われるのは10cm前後のものです。背中側は青みがかった灰色で、お腹の側が銀色に輝く白色をしていてウロコのはがれやすい魚です。口が大きく、普通魚は目の下まで口が開くのに対して、カタクチイワシは頭の下まで口が大きく開きます。

海面近くに広範囲な群れをなす魚で、北海道から西太平洋沿岸まで分布しています。大きな口を広げて動物性プランクトンを食します。

生き物に役立つカタクチイワシ

煮干

カタクチイワシ自身は海鳥やカツオやサメなどの肉食の魚や、イルカやクジラなどの哺乳類、そして私たち人間などに食べられ、食物連鎖でも大事な魚といえます。春と秋に産卵することが多く、卵が水中を浮遊しながら孵化し、ものすごい早さで成長します。

地引き網などで漁獲され、鮮度のいいものは生で刺身にして食べられますが、他の魚に比べて傷みも早いために早めに加工されます。日本で一番多い利用法は煮干ですが、干物にするにも鮮度が大切なので、水揚げされると加工場などはとても忙しくなります。

こうして傷みやすいカタクチイワシを日本では煮干、イタリアやスペインなどではアンチョビにすることで、少しでも保存期間を長くして食べていけるように加工したのですね。傷みやすい魚を保存するための知恵は今でも受け継がれているのです。

アンチョビの効果

これだけメジャーになって、料理にも頻繁に使われるようになったカタクチイワシですが、私たちの体にどんな効果をもたらしてくれるのでしょうか。

イワシには様々な栄養素が含まれていて、その加工食品であるアンチョビにもその栄養素は含まれます。イワシにはDHAとEPAが豊富に含まれます。さて、どんな効果があるのでしょうか。

DHA EPA

善玉コレルテロールを増やす働きがあります。脳や神経組織への機能アップや、高めの血圧を下げてくれたりする効果があります。

DHA同様、善玉コレルテロールを増やし、血液がサラサラになる作用があるので、脳卒中や心筋梗塞、動脈硬化などに効果があります。

カルシウム・ビタミンD ビタミンB2

歯や骨の健康に、骨粗しょう症に効果があります。

皮膚や粘膜、頭髪や爪などのタンパク質を多く含むものへの成長促進、過酸化資質の分解を手伝うので、動脈硬化や老化予防の効果があります。

チロシン タウリン

脳の中の神経伝達物質や甲状腺ホルモン、頭髪の黒い色の元になります。

高血圧の予防、肝臓病の予防、疲労回復に効果があります。

核酸

肝臓や心臓の働きが弱っているのを回復させたり、遺伝子の修復に効果があります。 このほかにも、ビタミンB群やビタミンE、ミネラルなども豊富に含まれていますので体にはとてもいい食材となります。ただ、アンチョビは塩分が多いので食べすぎには注意しましょう。


▲ ページの上部に戻る